受け入れるということ。
手術前の記憶はあるが、手術後から翌日の朝目覚めるまでの記憶はなかった。
家族が来て妹の涙に私も泣いた。
手術は3時間の予定が4時間になり連絡を待っていた妹にかなり心配させてしまった。
管を外したばかりで、喉は痛く、声はかすれていた。
これは本当に現実なのか?
きっと夢のはず
何度も繰り返し考えたが、頭痛も、喉の痛さも、足の付け根の痛さも、目に映る病室の様子もどれも現実だった。
それでもまだ、現実を受け入れられず、受け入れたくないという思いで頭はいっぱいだった。
聞こなれないブザーの音や、ナースコールの音。
夜一人になると頭痛に襲われ、不安と闘う時間が続いた。
四人部屋に移り数日間。
ナースのお仕事のような明るい空気は全くなかった。
隣りの人と挨拶もなく、カーテンで仕切られた空間で過ごす時間。
高齢の方と看護師さんとのやり取りは時々コントのようで、不安でいっぱいだった気持ちを少しずつほどいてくれた。
私は手術したんだ。
これからの事を考えると不安でいっぱいだが、受け入れるしかなかった。